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文学少女と神に臨む作家(上) 感想

 

 


神を臨む作家


って言ってもさ、感想なんて特に書くこと無いよ?
だってさ、この作品の何が良いって1冊完結で、全体を振り返ってそのエピソードのどこがどうで、どのシーンからどんな感じが伝わってきて、どの文章が良かったか、とかそんなことを書くのが趣きなわけじゃん。
でもさ、突然上下巻構成にされちゃったら何を書けばいいのやら……

とりあえずあちこちで言われているだろうけど俺もとにかく言っておきたい一言。
「遠子先輩は実は幽霊でした!」とかいうオチじゃなくてよかった!
いやあ、「存在しないはずの人間」とか言われたら幽霊を考えちゃうからね。この作品の「幻想的だけど、ひどく現実的」というスタンスから考えたらそのオチは最低中の最低だからさ。
いや、野村美月さんはそんなことをするまいと思ってたよ。でもさ、やっぱり考えちゃうじゃん。

とりあえず、話の本筋についてはあんまり書きたくないのでその他の部分。
バレンタインという素晴らしい題材を、よく調理してましたね。
琴吹さん可愛えわぁ。絶妙なデレ加減がホントいいねぇ。
心葉は色々考えなきゃいけないことがあって、今巻では琴吹さんとしては待ちぼうけを食らいまくったわけですが、それでも健気に心葉の力になろうとしてましたね。
最後に、心葉の家の前で待ってる琴吹さんには萌えたっていうかむしろ感動した。

最初はあんまり琴吹さんを気に入ってませんでしたが(俺がね)、もう今回は琴吹さん最高!って感じ。
琴吹さん家訪問も実に良かったですよね。
五百十円を大事に取っていて、それを心葉に見つけられる琴吹さんなんかはもう凄いニヤニヤ物。これはマジで可愛かった。

まあそうは言っても俺は遠子×心葉応援派なんですけどね。
いや、だってさ、確かに琴吹さんは可愛かったけども、遠子先輩には筆舌に尽くしがたい魅力があるじゃないか。
俺の中で遠子先輩は「現実に居たら真っ先に惚れる女性」No.1の位置にいますからね。
あのシュークリームの一件も、やっぱり心葉は遠子先輩のことをとても大事にしてるんだな、って分かるじゃないですか。
「遠子先輩は、最後まで食べてくれましたよね」
「僕が書いたものを、残さずに全部食べてくれましたよね」
ってやつ。
心葉カッコいいね。なんだかんだ言ってもやっぱりあいつは男だよ。
やっぱり遠子先輩を見てる心葉の気持ちは、どこか特別じゃないですか。

…さすがにこればっかりなのもアレなんで本筋にも多少触れておきましょう。

流人が死ぬほど怖かったんですが。ヤンデレ、ってかデレてないですね。
ヤンデル、かな。
「琴吹さんんこと、めちゃくちゃにして壊しちゃうかもしれませんよ」
いやいやいやいやいや!君そんなキャラじゃなかっただろう!
これは次の巻どうなるか見ものだ。
ってかさ、心葉の気持ちもわかるけどさ、ここは物語を書くべきだよね。
確かに一度は書くことで全てを失ったトラウマがあるのはわかるけどさ、今の人間関係はそんなことじゃ壊れないじゃないか。
琴吹さんだってああ言ってくれた。あそこでもらった勇気のベクトルは、書かないことじゃなくて書くことに向けるべきだと思う。
以前は書くことで全てを失ったかもしれないけど、今度は書くことで全てを守れるじゃないか。遠子先輩だってそれで救われるみたいだし。
とりあえず自分に自信を持って、執筆を始めてみるといいと思うけどな。
ってか芥川くんが何か動いてくれる気がするのは俺だけだろうか。

とにかく、次が楽しみですね。

そういえば、あとがきの「特別編の表紙の遠子、可愛かったですね!」これには激しく同意。
あの表紙は俺の中で殿堂入りしてます。最高でした。
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